No Excel 情報共有のあり方を再考しませんか?3

前のエントリの続きです。

何を加速させるのか?

前回は、「ファイル共有の不便さ」を解消する手段として、Dropboxなどのファイル共有サービスや、kintoneなどのデータ管理サービスのアプローチがある、という話を書きました。

一般的な話として、「不便さを解消するためのアプローチ」には二つの方法があります。

一つは、これまでのやり方の延長です。

例えば、「電車」を考えてみます。

仮に「電車では5時間もかかる。不便だ。」という課題があったとします。
これに対し、「ではより速い電車を開発しよう、より直線的な線路を敷設しよう」というアプローチが、「これまでのやり方の延長」と言えます。

一方、もう一つは、「やりたいことの本質に目を向け、これまでのやり方そのものを見直す」というアプローチです。
「移動したいのであれば電車ではなく飛行機を使おう」、「ミーティングしたいのであればテレビ会議を使おう」といった、そもそもの「電車という手段自体を見直す」というメタ的なアプローチです。

前者のアプローチでは、改善の効果がいつか必ず頭打ちになります。リニアモーターカーを開発しても、飛行機やテレビ会議の早さには及びません(技術開発、基礎研究がムダだと言っているのではありません)。

重要なのは、「やりたいことは何か?」を直視して、多くの選択肢の中から、より適切な方法を選ぶことです。そして選択肢は、時の流れとともに変わってきます(技術開発、基礎研究のおかげで!)。

当然、「選択肢は従来のやり方の中から選ばなければならない」というルールはありません。私が強調したいのは、「これまでのやり方を加速させることのみが選択肢ではない」ということです。

 

kintoneという道具

前置きが超長くなりましたが、やっと「No Excel」という本題です。

前回のエントリで、DropBoxなどの「従来のファイル共有を加速するサービス」ではなく、kintoneなどの「データ(=レコード)そのものを管理するサービス」を利用する方がスマートだという話を書きました。

なぜなら「ファイルというデータの容器」をそのままに、メールやファイル共有サービスで利便性を高めたとしても、「データ共有」という本質的な課題は置き去りになってしまうからです。

「従来のファイル共有を加速するサービス」は、前段の「速い電車」のアプローチに相当します。

file_or_record

 

しかし、それよりも、データ共有そのものを切り出した、上図の右側のようなやり方がベターだと考えます。

前回のエントリのホストコンピュータの集中型に近いイメージになります。

ただ、ホストコンピュータの集中型と大きく違うのは、ユーザ側にもEUCの余地がある点です。kintoneというサービスの特徴は、「EUCの部分も実装しつつ、データ共有が出来る」という点にもあります。

従来であれば、パソコンに分散しなければならなかったEUCも集中管理できる、という形です。

単純なデータ蓄積プラットフォームではなく、ユーザ目線の機能が盛り込まれたクラウドサービスということで、「No Excel」という話も、実現可能な状態にあると言えます。

正直なところ、複雑なトランザクション処理やミッションクリティカルな場面に適用するのは難しいそう、という感想もありますが、少なくとも、従来のようにExcelを使うという部分に関していえば、十二分に置き換え可能だと考えます。

kintone公式サイトには事例サンプルアプリが沢山掲載されています。

まとめ

「No Email、No Excel」というキーワードから、「情報共有のあり方を見直しませんか?」という話を長々と書きましたが、ポイントは「従来のやり方にとらわれ過ぎず、やるべきことの本質に目を向ける」ということです。

業務上やるべきことは何か?そのためにはどの道具が適しているのか?という作業が必要ですが、個人的な経験上、このような作業は、沢山の情報収集、思考訓練、外部の意見を取り入れる、などをしなければ難しいものです。

というわけで、「現状が何となく違う気がするので何とかしてみたい」と思われる方は、ご相談ください!

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