【やってはいけない】情報共有ツールを使う際の注意点
チャットツールや、ファイル共有、Wikiサービスなどの情報共有ツールは、業務効率化やコミュニケーションの深化などに役立ちます。
折角コストを掛けて導入するのであれば、効果的に活用したいところですが、使い方を間違うと、中々効果が実感出来ません。
今回は、そうならないよう、情報共有ツールを活用する上で気を付けるべき注意点をいくつか書いてみます。
この記事の目次
情報共有ツールを使う際に気を付けるべきこと
情報共有ツールを使う目的の一つは、コミュニケーションを活性化させることにあります。
しかし、使い方を間違うと、活性化どころか、分断してしまうことにもなりかねません。ここでは大きく5つの注意点を挙げてみます。
1.一部のメンバーのみで使わない
導入検討時の実証実験レベルであればこの限りではありませんが、本格導入時は、組織全体で利用するのが鉄則になります。
人によって情報発信に多寡があるのは致し方ない部分ではありますが、そもそもツールにアクセス出来ない人がいるような状況や、登録しているものの習熟度の面で使えない人がいる状況は良くないです。
コミュニケーションを深めるために導入しているのに、これでは逆に分断されてしまいます。
一部の人のヒソヒソ話ツールになってしまわないように、ライセンスは必要な分だけ用意し、慣れてない人にも使えるようなトレーニングを行うべきです。
2.ツールに溺れないこと
ツールは飽くまでコミュニケーションを円滑にするための道具です。よく、「隣にいるのにパソコンに向かってメッセンジャーを使って連絡をしている」というような例を聞くことがありますが、使い方を間違っています。ツールに溺れていると言えるでしょう。
隣にいるのであれば、まず会話ありきとすべきです。
会話の前か後に、記録として残しておくためにメッセンジャーに書き込んでおく、という使い方ならOKです。
もし、「口も利きたくないから隣に居てもツールのみでやり取りしている」という状況であれば、情報共有ツール云々の前に別のアプローチが必要です。
3.炎上防止:書き込みのNGルールを定めておくこと
Twitterなどで、「バイトテロ」のような投稿で炎上することがあります。
組織での情報共有ツールについては、基本的に外部に漏れることはありませんが、人間関係が悪くなったり、組織内で炎上するような投稿は禁止すべきです。一人一人にNGルールを周知しておくことも重要です。
対面で言えないことは書き込まない
基本ルールとして、対面で言えないことは書き込まないというのは共有すべきでしょう。
ネット上だと気が大きくなる方も中にはいますが、書き込む前に一歩立ち止まり、対面でも言える内容かどうかを考えてみる習慣をつけましょう。
情報共有ツールは、フランクなコミュニケーションの場ではありますが、無法地帯ではありません。
モニタの向こう側には血の通った人間がいることを常に意識しましょう。
政治・宗教・歴史・人種などの話題は書き込まない
匿名であっても、炎上ネタになりやすいのは、政治・宗教・歴史・人種等の話題です。最近だとジェンダー関連の話題もあるでしょうか。
前提として、どんな思想、価値観を持っていても、それは憲法で保障された自由です。
ただ、思想を持つことと、TPOをわきまえず表明することは別問題です。
組織というのは、多様な価値観を持ったメンバーが「事業という共通項」を軸に協働する場です。
協働するにあたって、不要な衝突、軋轢は無いに越したことはありません。
それを避けるという意味で、これらの話題に関しては不用意に触れない方が望ましいでしょう。
愚痴はなるべく書き込まない
度が過ぎた愚痴は書き込まないことも重要です。
情報共有ツールの中でも、SNSのようなものには共感を増幅する効果がありますが、それはポジティブなものもネガティブなものも等しく増幅します。
例えば、「こんな炎天下で外回りなんてクソ。やってらんねえ」といった感情は分からなくもないです。ともすれば「分かるわ」「俺も同じ」と共感する方も多いかもしれません。しかし、そのように暗黒面が増幅されてしまうと、組織の雰囲気、スタッフの士気にも関わって来ます。
一方、「炎天下で暑いけど、今日も外回り頑張ります」だとどうでしょうか。私なら「大変だけど頑張って」と応援したくなります。
同じような状況下であっても、書き方一つ、捉え方一つで周囲の受け取り方は変わってきます。
難しいところではありますが、何事もなるべくポジティブな方向に変換して考える習慣付けが大切です。ポジティブな感情はいくら増幅されても害はありません。
「暑いのに外回りお疲れ様」と対面で言えるような関係が作っていくことが出来れば、情報共有ツールを導入する意味も出てくるでしょう。
もしどうしても愚痴りたいなら、個人的な裏アカウントでも使いましょう(機密事項には触れないように)。
4.情報共有ツールを使うことは業務であることを明示すること
私が体験した範囲の話になりますが、クライアントの年配スタッフから「チャットなんて中高生の遊び、おもちゃみたいなもんだろう」と指摘を受けたことがあります。
その時は「なるほど、そういうイメージがあるのか」とハッとしたのですが、特にデジタルネイティブでない方にとっては、そういう捉え方もあるのかもしれません(私自身デジタルイミグラントですが)。
ふと思い出しましたが、昔「いつもパソコンに向かってるけど、暇してるのかい」と年配の偉い人から皮肉(?)を言われたこともあります。その時は「こう見えてもそこそこ頑張ってるんすよ~」と軽く流したのですが、その方にとっては「パソコンを使うこと」と「仕事」はリンクしてなかったのだと思います。
ですが、今は違います。
情報端末を使い、情報共有をすることは、組織にとって最重要ともいえる「業務」です。おもちゃでも遊びでもありません。
そのような位置づけを明示することも重要です。
5.時間外の利用は自粛すること
情報共有ツールの活用が進みだすと、「前のめり」になる方も出て来ます。
連絡のハードルが下がるため、つい時間外に業務指示をしてしまうこともあるでしょう。これは労務管理上問題があるだけでなく、個々人のプライベートを侵食する行為でもあります。
組織のメンバは多様なライフスタイルの方がいるという前提で接するべきです。
独身の若者もいれば、子育て世代、介護世代もいるでしょう。
24時間繋がりうるということは、24時間業務に向かい合うことと同義ではありません。
それぞれの立場を尊重し、接することが大切です。その為の共通の敷居が、定められた業務時間なのです。
特に急ぎの用事でもない場合は、連絡は翌日でも良いのです。「翌日に連絡する勇気」を持ちましょう。
気持ちのチャンネルがプライベートモードに切り替わっている時の業務連絡程、テンションが下がるものはありません。というか、時間外の業務連絡は、マネジメントの敗北だと思います。
頑張っている人ほど、自分の頑張りを他人にも期待したり、頑張っているアピールをしたがる傾向がありますが、頑張ってるアピールは別の方法でも出来るはずです。
まとめ
以上、情報共有ツールを使う際の注意点を大きく5つ挙げてみました。
いずれも自分の失敗経験、自分が見てきた失敗現場に基づくものになりまして、情報共有のアンチパターンとして記録しておくことにしました。
情報共有ツールは諸刃の剣にもなり得ますが、上手く活用すれば非常に大きな効果が期待出来ますので、諸刃にならないように参考にしてみて下さい。
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