Slackで情報共有したらメールが激減するなど、いろいろ効果があった話
私はフリーランスの身なので、色々な組織・会社と連絡を取ることが多いのですが、最近増えてきた連絡手段が、SlackとChatworkです。
SlackとChatworkは社内の人間だけでなく、複数の組織を横断して行うプロジェクトで情報共有するのに向いています。
いずれも無料プランだと制限がありますが、小規模で有期のグループであれば用が足ります。
個人的にはChatworkよりも、Slackの方が使いやすいと思っているので、自分が主導出来る際はSlack推しをしています。
Slackがどういうサービスなのかは、調べればすぐに分かると思うので、ここではSlack自体の解説はしませんが、Slackの方がメールでの連絡よりも便利だという話を紹介します。
この記事の目次
Slackを使ってよかった点
やり取りのスピードと質が上がった
Slackではワークスペースと呼ばれる大元のグループが作成され、その配下にチャンネルと呼ばれるサブグループのようなものが作成出来るようになります。
ワークスペースには関係者全員を登録し、チャンネルには個別の案件を設定することで、連絡が混線せずに済む設計となっています。
基本的にチャットベースでのやり取りになるので、考えたことをすぐに投稿出来るのが良い点で、メールのようにいちいち送信先に間違いがないかを確認したり、「お世話になっております」のテンプレ文や署名を追加しなくてもよいので、投稿のハードルは間違いなく下がったと思います。
結果、即本題に入れるため、やり取りのスピードアップに貢献します。
そしてスピードアップは、内容の質的向上にも関連すると実感したところであります。
すぐにリアクション出来る
すぐにリアクション出来るのも良い点です。リアクションといっても、投稿内容に対する文章での返信というものでなく、「見たよ」という程度の意味でアイコンで気軽に返信出来ます。
これは使ってみると中々重要な機能だと気づくはずです。
誰がメッセージを見ていて、誰が見てない可能性があるのかがメンバー内に可視化されるため、「あれ?あの件見てないの?知らないの?」といったコミュニケーションエラーが起きにくくなります。
メールだとそのリアクションすらやりにくいです。返信ボタンを押して、わざわざ「見ました」「拝読しました」と返信する人はあまり居ません。その場合、「多分見てくれているはず」という期待感を持つしかありません。
メールボックスがスッキリした
ワークスぺースのメンバーとのやりとりは全てSlack上で完結するので、業務連絡のメールが激減しました。
もちろん、すべてのやり取りをSlackで行っているわけではないので、業務連絡メールが0という訳ではないですが、メールボックスがスッキリみやすくなりました。
ただし、無料プランの制限には留意
無料プランではワークスペース内でのメッセージの上限が1万件になります。
1万件を超えると古いものからアーカイブされていき、検索や参照が出来なくなるという制限があります(有料プランにすることで制限が解除されます)。
活発にやり取りをしていると、1万件に到達することもあると思います。
有料プランにするにしても、複数組織で横断して利用している場合、費用負担の主体をどうするかという問題もついて回りますが、有期でなく永続的に利用する場合は、有料プランを検討すべきでしょう。
Oracle社のSlackによるコミュニケーション改善事例
先日、Slackを導入したOracle社の事例が紹介されていました。
社員が14万人と、自分の状況とは規模が違いすぎるため、比較は出来ませんが、メールの削減効果やコミュニケーションの質的向上効果は「そうだよね」と実感を持って同意出来ます。以下の図は、メールの流通量が減り、Slackがそれにとって代わったということを示しています。
メールだと溜まりすぎる・メッセンジャーだと流れて消える
Oracleでは、メールとメッセンジャーツールを使って業務連絡をしていたようです。
ただ、課題として、
- メールだとメールボックスに溜まりすぎる
- メッセンジャーツールだと検索などの後からの振り返りがしにくい
という状況がありました。
そこで、Slackの導入に踏み切った訳ですが、以下のような効果が得られたようです。
オペレーション担当グループバイスプレジデントのSujith Abraham氏がユースケースの1つとして紹介したのが、営業担当の成功例の共有だ。ある地区の営業担当が顧客とのエンゲージなど優れた取り組みにより成果を出したなど、営業担当のサクセスストーリーを共有するというもの。コンテンツ、クリエイティブは簡単に揃うが、Slackという配信のチャネルを得ることで簡単に届けることができるようになったという。また大企業顧客を担当するアカウントはチームで動くことが多いが、Slackを利用してチーム間で取引のレビューなどを行なうことで、内部プロセスを効率化できた、とAbraham氏。
Donnelly氏はさらに、新しくチームに人が加わった場合もチャンネルの履歴を見ながらすぐに状況を把握できるという点も評価した。それだけでなく、「わからないことを書けば、一人ではなく複数が回答する。これはコミュニティの感覚を育んでいる」とも。Abraham氏も「メールの場合は固くなるが、Slackなら社員同士が気軽に話しかけることができる」と続ける。Abraham氏のお気に入りのチャネルは”HongKong Happy Hour”――社員同士が勤務後に気軽に一杯出かけようと誘い合う文化が生まれ、社風にもいい影響を与えているという。
要するに、
- 成功情報の社内共有
- 気軽なやり取りが出来るため、コミュニティ感覚が醸成された
- 社員同士のオフラインコミュニケーションも生まれ、組織風土もよい方向に向かっている
といった効果があったようです。
社内限定の場合は有料プランか他のサービスを
Oracleの場合は組織内での利用が前提でしたが、私の場合、Slackは組織を横断して利用できるのが強みだと考えて利用しています。
しかし、もし、組織内限定でビジネスチャットを利用するのであれば、Oracleのように有料プランを利用するか、Microsoft Teamsなどのサービスを利用すべきだと思います。
社用で無料プランを使うべきかどうかについては、私個人としては、否定的な見解を持っているからです。
まとめ
ビジネスチャットはメールに比べ、非常に便利です。便利なだけでなく、コミュニケーションの活性化、質的向上も期待できます。
長い間、メールはデファクトスタンダードな連絡ツールとして活躍してきましたが、今後はSlackのようなビジネスチャットツールがそれに代わっていき、「まだメール使ってるの?」という脱メール時代に突入していくような気がしています。
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