ストック型の情報共有ツールの紹介 OSSのWiki編

組織内で情報共有を進めるにあたり、課題になることの一つに、ストック型の情報共有をどうするか?という点があります。

今回はその解決策の一つであるWikiについて解説をいたします。

そもそもWiki(ウィキ)って何?

Wikiについて説明しようと思ったのですが、引用した方が早いので引用します。

Wikiとは、Webブラウザから簡単にWebページの発行・編集などが行える、Webコンテンツマネジメントシステム(CMS)の一つ。WebサーバインストールしてWebブラウザから利用する。

複数人が共同でWebサイトを構築していく利用法を想定しており、閲覧者が簡単にページを修正したり、新しいページを追加したりできるようになっている。編集者をパスワードなどで制限したり、編集できないよう凍結したりすることもできる。HTMLの知識がなくてもリストやリンクを簡単に作成できるように、簡易な整形書式が定められている。

電子掲示板(BBS)に近いシステムだが、掲示板が時系列に「発言」を積み重ねるコミュニケーションツールであるのに対し、Wikiは、内容の編集・削除が自由なこと、基本的に時系列での整理を行わないことから、誰もが自由に「記事」を書き加えていくコラボレーションツールに近い。柔軟性が高く、手軽に始められて操作が簡単なことから、メモ帳代わりに使ったり、特定のテーマのまとめサイト(まとめWiki)の制作に利用されることが多い。Wikiを利用したインターネット上のWebサイトで最も有名なものに百科事典のWikipediaがある。

http://e-words.jp/w/Wiki.html から引用

上記で過不足なく説明されていると思います。

要するに、Wikiは「みんなで閲覧・編集出来る掲示板のようなもの」です。ちなみに、「Wikipedia」はWikiで作成された百科事典サービスで、Wikipedia≠Wikiです。

組織内にWikipediaのような「自組織専用の百科事典」があれば、社内のローカル用語を解説したり、業務上のノウハウを共有したり、新人教育に利用したり、FAQを作ったりと、何かと便利ですよね。

Wikiには沢山の製品、サービスがあります。Wikipediaやニコニコ大百科は、誰もが利用できるオープンなWikiサービスですが、組織内の閉じた関係で利用する製品やサービスもあります。

それらは有償、無償様々ですが、今回はOSS(オープンソースソフトウェア)という、基本的に無料で利用できる製品について解説します。

OSSのWikiのメリット・デメリット

まず、OSSのWikiのメリットデメリットについて説明します。

OSSのWikiのメリット

OSSの製品を利用するメリットはズバリ一つです。

  • ライセンス費用が掛からない

自前のサーバで運用すれば、ライセンス費用は掛かりません。新しいサービスを導入する際には、稟議を通したり、許可を得る必要があると思いますが、そういう場合にネックになるのは費用です。

なるほど、便利そうだな。で、幾ら掛かるの?

と必ず聞かれるでしょう。

そこで、金銭的な費用が掛かるとなると、説得のハードルはドンと上がります。

しかし、OSSであれば、導入に際して労力以外の費用は基本的に発生しません。決裁に際してのハードルは有償のものに比べ下がるでしょう。

とりあえず使ってみたいという場合に、金銭的費用が発生しないというのは大きなメリットになります。

OSSのWikiのデメリット

「無料で利用できる」というのは大きなメリットではありますが、反面、デメリットもあります。個人的には、人的コストの面で、デメリットの方が大きい気がしているので、有料のサービスを利用するのが良いと思っています。

  • 技術者的ハードルが高い
  • URLに永続性を持たせにくい
  • スマホ・組織外からのアクセスが難しい

技術的ハードルが高い

基本的にOSSの利用は自己責任で行います。利用方法、ソフトウェアの不具合やトラブルシューティングの情報は自分で収集して対応する必要があります。

不具合などについては、OSSのコミュニティに対応してもらえる場合もありますが、基本的にベストエフォートな対応になりますので、有償のサービスのようなサポートは期待出来ません。

不具合の検出も含めて、ソフトウェアの開発に貢献するというのが、OSSコミュニティのスタンスですので、サポートを受けるという考え方は持たない方がよいです(企業が有償でOSSのサポートをするケースもあります)。

セットアップについても、サーバやソフトウェア、データベースなどの環境構築から何から何まで自分で準備する必要があります。技術的に求められるハードルは高くなります。

URLに永続性を持たせにくい

一時的にお試し利用するのであれば、この限りではないのですが、ずっと利用することになった場合、URLの永続性がネックになる場合もあります。

例えば社内SNSなどでWikiの特定ページのURLを添付してシェアしている場合などは、URLはずっと保持しなければなりません。そうしなければリンク切れになってしまいますので、内部DNSに登録したドメイン名(またはIPアドレス)を維持し、永続性を持たせるための配慮が必要になります。

この点は意外と見落としがちなので、サーバ移転などの際に問題が顕在化しないようにしましょう。

初期環境を作るのも大変ですが、それを維持していく方がもっと大変です。

スマホ・組織外からのアクセスが難しい

オンプレミス(社内サーバ)で環境を構築した場合、ネットワークの構成にもよりますが、スマートフォン等のデバイスや出先からのアクセスが出来ません。

オンプレミスの方が漏洩などに対するセキュリティ事故には強い反面、テレワークの方が多い、営業担当者が多いという場合など、利用シーンによっては、組織内からしかアクセスできないと使い勝手が悪くなってしまう可能性があります。

レンタルサーバやVPS、AWSなどクラウドなど、パブリックなサーバを利用する手もありますが、ネットワークの設計や暗号化など、環境構築の手間が増えるでしょう。

OSSのwiki製品三選

メリット・デメリットを書きましたが(デメリットの方が厚かった…)、まずは「こういうものか」と評価するのも大切だと思いますので、ここではお勧めのOSSのWiki製品を3つ紹介いたします。

Dokuwiki

まずはDokuwiki(ドクウィキ)です。

Dokuwikiの特徴としては、

  • 環境構築が楽(Apache + PHP データベース不要)
  • LDAP認証もあるので、Active Directory等とユーザ情報を連携できる

といったところがあります。特にLDAP連携は、ユーザ登録・パスワード管理の手間が大きく減るので、組織用途に向いていると思います。

UIについては、若干昔っぽい感じはするものの、大きな問題にはならないでしょう。

Mediawiki

次はMediawiki(メディアウィキ)です。Mediawikiは、Wikipediaで採用されているOSSになります。

こちらの特徴としては、

  • Wikipediaと同じようなUIなので、とっつきやすい(かもしれない)
  • 環境構築が楽(Apache + PHP + MySQL)

というところです。

Growi

次はGrowi(グローウィ?正式な読み方分かりません)です。

こちらの特徴は、

  • CrowiというWikiシステムからの分岐(フォーク)した製品
  • 国産(WESEEK社が開発)
  • UI(画面)が今風(?)
  • node.js、MongoDBなど、環境構築が若干面倒(丁寧な日本語マニュアルあり)

などです。

比較的安価なクラウドサービス(https://growi.cloud/)も用意されているので、OSS版で試用して、本番運用ではクラウドを使う、というパターンもアリだと思います。

 

まとめ

OSSで利用できるWikiを3つ挙げてみました(他にもPukiwikiなど昔お世話になったwikiもありましたが、絞りました)。

OSSメリットは、なんと言ってもとりあえずライセンス費用は無料で使えるという点ですが、反面、デメリットとして環境の維持管理は自前で行う必要があり、労力がかかるという点です。システム管理者がいない組織であれば、運用は困難と思います。

とりあえず、無料で試してみて、効果が実感出来そうであれば、有償サービスの検討を行う、というのがよいかもしれません。

有償サービスのWikiについては、別途まとめてみようと思います。

 

 

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