そもそもなぜ情報共有が重要なのか?3つの理由

「情報共有が重要だ」という声はよく聞きます。しかし何故重要なのでしょうか。

今回は組織において情報共有が重要だという、そもそもの理由について簡単に3つ挙げてみます。

その3つの理由とは、

  1. 属人性の排除
  2. 時間の短縮
  3. スタッフ同士の協業

です。

情報共有が重要だという3つの理由

情報共有を推進すべき理由としては、ずばり生産性の向上にあります。

生産性については、ここではあまり深く述べません。単純に「アウトプット/時間」とでも定義します。

分子の「アウトプット」とは、売上等の量的に計測出来るものでもよいですし、資料作成等の間接的なものでもよいです。「それぞれの業務において出力すべきもの全般」というざっくりした表現をしておきます。

分母の「時間」は、文字通りアウトプットに費やす時間です。

分子は大きければ大きいほど、分母は小さければ小さいほど、トータルの生産性が上がります。

情報共有は、この分母を伸ばし、また分子を大幅に小さくすることに関わってきます。

1.属人性の排除

まず、情報共有をすべき理由の一つとしては、属人性の排除があります。

業務が属人化すると、組織全体で見てよい効果はありません。

Bさんしか知らない顧客情報

例えば、顧客Aの情報はBさんしか知らないとしたら、Bさんが休みの時に顧客Aから問い合わせがあっても、『申し訳ありません、Bの休み明けに回答いたします』としか対応出来ません。顧客Aからすると、それくらいの情報は共有しておいてよ、と不満に繋がるかもしれません。

下手をしたら受注のタイミングを逃してしまうこともあり得ます。

Bさんからすれば、「A様は俺のお客様だから他の人に対応されては困る」というかも知れませんが、困っているのは他ならぬ顧客Aです。

このように対応が属人化してしまうと、組織として対応すべき時に対応出来なくなるというリスクがあります。顧客に関する情報は日報なりカルテなりの情報で共有しておき、申し送り事項として誰でも対応出来るようにしておくに越したことはありません。

Cさんしか出来ない資料作成

顧客対応を例に出しましたが、内部の業務についても同様です。

営業会議に使う資料作成はCさんしか出来ない」ということであれば、Cさんが不在になるだけで営業会議が出来なくなってしまいます。

Cさんの組織内での存在感(プレゼンス)は大きくなるかも知れませんが、Cさんだっていつ病気になるか、転職するか分かりません。

属人性は、通常時は顕在化しませんが、少しのバランスの乱れで上手く行かなくなります。組織全体の視点で見ると潜在的な損失をはらんでいるといえます。

したがって、情報やノウハウは共有すべきで、それは個人のプレゼンスよりも優先されなければなりません。

よく「自分がいないとダメなんだ」という方がいます。

責任感を持つことはよいことですが、仕事を囲い込むことと責任感は別に考える必要があります。

囲い込みすぎることは、組織全体でみるとマイナス面が大きいため、個人のパワープレーや責任感に依存しすぎるのは控え、対応状況やノウハウについては、積極的に共有すべきでしょう。

業務の平準化・標準化は、アウトプットを量的に向上させることに繋がるでしょう。

2.時間の短縮

一説には、ホワイトカラーのビジネスマンは、「調べもの」に一日1.6時間もの時間を費やしているそうです。

調べものにも色々ありますが、特に内部情報に関する調べものについては、情報を共有することで、時間の短縮を図るべきでしょう。

例えば、営業担当者のBさんが、出先から顧客Aの情報を電話でCさんに問い合わせる、という場合は、Bさんの時間もCさんの時間も二重に浪費してしまうことになります。こういう時間が積み重なることで、一日1.6時間になっていくのだと思います。

そのような冗長なことをしないためにも、情報を一元管理し、共有することは必要なのです。

調べものの時間を減らすことは、文字通り生産性の分母を小さくする効果が期待できます。

3.スタッフ同士の協業

ICTツールを利用することによる、「オンラインコミュニケーション」は、対面での「オフラインコミュニケーション」と対立する概念ではなく、オフラインコミュニケーションをより深化させる効果があります。

例えば、FacebookのようなSNSで普段からお互いの様子が分かっていれば、いざ会った時の話題には事欠きませんし、オンラインでは伝えきれなかった細かなニュアンスを伝えることも出来るでしょう。

別の例を挙げると、あらかじめ掲示板で意見交換をしておけば、いざ本番の会議の時には、いきなり本題に入ることも出来るでしょう。

そういう意味でオンラインコミュニケーションはオフラインコミュニケーションを補完し、促進するものであると言えます。

ある名刺管理サービス(というかSANSAN)のCMで「それ早く言ってよ~」というのがありますが、あれも一種のオンラインコミュニケーションツールをオフラインでも活用する例となります。残念ながらCMでは失敗ばかりしていますが。

このように、オフラインコミュニケーションをオンラインコミュニケーションで補完することで、新たなビジネスチャンスに繋がることがあります。SANSANの例は組織外とのコネクションでしたが、組織内のコネクションについても同様です。スタッフ同士が有機的に繋がることで新たなアイデアが出やすくなり、ノウハウを共有しやすくなります。自分にとっては当たり前だと思っている情報でも、他人の目に触れることで新たな付加価値が生まれることがあります。

これも総合的にみて、アウトプットの量的向上に繋がるでしょう。

情報を囲い込むことのデメリット

もしかしたら、BさんやCさんのように、自身の組織内でのプレゼンス向上のため、情報を囲い込む人がいるかもしれません。

しかし、それは組織全体で見ればあまり意味のないことなのです。重要なポイントは、情報をオープンに共有しそこから新たな知見を生み出すことにあるのです。

まとめ

情報共有の目的は、生産性の向上です。

そして、情報共有は以下のポイントを通じて生産性の向上に寄与します。

  1. 属人性の排除
  2. 時間の短縮
  3. スタッフ同士の協業

以上が情報共有を進めるべき理由となります。一方で、情報共有が進まないという話も多く聞きますが、それについては、別途エントリーを書こうと思います。

【2019.05.07追記】 書きました↓

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