ストック型の情報共有ツールの紹介 クラウド型wiki編
先日のエントリーで、OSSのWikiを紹介しました。
Wikiに関する説明などは上記に記載しましたので、今回は省きます。
今回はOSSではなく、クラウド型の有償のWiki(的)サービスを紹介してみます。
クラウド型Wikiシステムのメリット・デメリット
クラウド型Wikiのメリットデメリットですが、丁度OSSのメリットデメリットをひっくり返したような形になります。
クラウド型Wikiのメリット
クラウド型Wikiシステムのメリットは以下三つです。OSSのデメリットをそのままひっくり返しています。
- 導入のハードルが低い
- URLに永続性が保たれる
- スマホ・組織外からでもアクセスしやすい
導入のハードルが低い
OSSのようにサーバを用意したりすることなく、サービスサイトにアクセスして必要事項を記入すればすぐに使えるサービスが多いです。
組織内のユーザ登録等の作業はどうしても発生しますが、導入に関するハードルはかなり低いでしょう。
環境構築に一所懸命になって、運用の前に燃え尽きてしまうこともないでしょう。
肝心なのは、サービスを活用して情報共有を促進させることですので、環境構築・維持ではなくスタッフへの布教活動(?)などに注力出来るのは非常に大きなメリットとなります。
URLに永続性を持たせられる(かもしれない)
前提として、「Wikiサービスが継続する」という条件付きですが、費用を払ってサービスを利用している限りにおいて、URLは永続的に利用出来ると考えてよいでしょう。
URLが永続的に使えるということは、URLをシェア出来るということになります。社内SNSやコラボレーションツールで、URLを貼り付ければその情報が共有出来ます。
ただし、サービス提供事業者が撤退しないとも言い切れないため、その事業者のサービスへの注力度や、体力面なども場合によっては評価すべきでしょう。これはクラウドサービスを利用する際の一般的な注意事項になります。
スマホ・組織外からでもアクセスしやすい
Wikiサービスはパブリックなインターネット環境で運用されているものが多いため、インターネットにさえ繋がっていれば、場所や時間を選ばずにアクセスすることが出来ます。
営業担当者やテレワークの方が多いような組織では、このことは大きなメリットとなります。
クラウド型Wikiのデメリット
デメリットですが、二つ挙げてみます。
- ライセンス費用が掛かる
- セキュリティ面のリスクがある
ライセンス費用が掛かる
デメリットというか、当然のことですが、有償サービスを利用すればライセンス費用が発生します。
大体、一人当たり月額幾らの価格設定になっていることが多いので、コストの算出は比較的容易です。
その一方で、情報共有ということに関して言えば、費用対効果が非常に測りにくい面があります。
「問い合わせ件数が〇〇件減りました、それを経済価値に直すと〇〇円の費用になります」といったようにガチガチに計測することも不可能ではないですが、そのような仕組みを作るのにも費用が掛かります。
個人的にはざっくり「めっちゃ便利になった感じがする」というような評価でも構わないと思っています。
相場的には、一人当たり数百円という費用感のサービスが多いので、スモールスタートが可能です。
自組織に合いそうなサービスがあれば、試しに利用してみてそれから継続するかを考える、といったユルいスタンスで始めるのもアリかと思います。
セキュリティ面のリスクがある
パブリックなインターネット環境で運用されていて、かつ認証がIDとパスワードということであれば、クラックされるリスクがあります。
二要素認証や、パスワードポリシーの設定、IPアドレスによる制限など、不正アクセスを防ぐ仕組みが備わっているサービスがよいでしょう。
クラウド型Wikiサービス4選
ここではお勧めの有償Wikiサービスを4つ紹介します。
正直、どれも甲乙つけがたいサービスになっていまして、あとは好みの問題かもしれません。
Confluence(コンフルエンス)
一つ目はアトラシアン社が提供するコンフルエンスです。オンプレミス版もありますが、クラウド版も提供されています。
海外製品ではありますが、日本語化されています。以前、オンプレ版を使っていたことがあるのですが、初心者にもとっつきやすいインタフェースになっています。
公式サイト:https://ja.atlassian.com/software/confluence
利用料金 | 10名まで$10/月、11名以上は一人当たり$5/月 |
セキュリティ対応など | 二要素認証・パスワードポリシーなど設定可だが、オプション料金が発生する |
その他 | 7日間のお試し期間あり |
Qiita Team(キータ チーム)
技術系の情報共有サービスで有名なQiita(https://qiita.com/)の運営元が提供するサービスで、Qiitaのプライベート版という感じです。国産サービスになります。
Qiita同様、ブログのように投稿していくことで、情報が蓄積されていきます。タグ付けによる情報分類も可能です。
公式サイト:https://teams.qiita.com/
利用料金 | 17名までは固定料金(最大15,000円/月)
18名以降は700円/月 |
セキュリティ対応など | 二要素認証あり |
その他 | 30日間のお試し期間あり |
kibela(キベラ)
ビットジャーニー社が提供する国産サービスです。エンタープライズプランは若干料金が高めですが、シングルサインオンや、セキュリティ対策などの機能が充実したものになっています。
公式サイト:https://kibe.la/ja
利用料金 | スタンダードプラン:一人当たり540円/月
エンタープライズプラン:一人当たり1,620円/月 |
セキュリティ対応など | エンタープライズプランでIPアドレス制限などあり |
その他 | 2か月のお試し期間あり(スタンダードプラン) |
Qast(キャスト)
any株式会社が提供する後発のQ&Aに注力したWiki系サービスです。インタフェースは非常にシンプルに洗練されていて、Tech系以外の方にも使いやすいと思われます。
情報は、「質問」と「メモ」のいずれかで投稿していく形になります。タグ付け、フォルダ分けによる情報の分類も容易です。
発想としては、質問系SNSのQuara(クオーラ)に似ている部分もあります。
公式サイト:https://qast.jp/
利用料金 | 100名までは固定料金(最大45,000円/月)
101名以降は要相談 |
セキュリティ対応など | 二要素認証あり |
その他 | 30日のお試し期間あり |
まとめ
とりあえず、4つ紹介いたしましたが、コメントを追加したり、メンションを飛ばしたり、「いいね」を付けたりと、Wikiサービスとしての機能にはあまり大差ないようにも感じております。個人的にはQastがシンプルで分かりやすいと思っています。
サービスによって合う合わないはあると思いますが、いずれも「お試し期間」が設けられているので、評価もしやすいでしょう。
OSSは金銭的な費用が掛かりませんが、技術的なハードルなどのデメリットを総合的に考えると、有償サービスを利用するのがよいと思われます。
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