CRMとSFAの違いについて
先日ある経営者と、「営業担当者のプロセス管理」の話をしていて、CRMとSFAの違いについて説明を求められました。
話に入る前に、そもそも、CRMやSFAとは何か、という説明をそれぞれWikipediaから転載してみます。
- SFA(Salse Force Automation 営業支援システム)とは
営業担当者個人で留まりがちな顧客情報や案件の進捗、商談事例等の営業活動に関わる情報をデータ化して活用することで、営業の生産性を上げ、効率化を進めることを目的とした情報システム。 事務処理プロセスの自動化を目指したのが「OA(office automation)」であるのに対し、営業プロセスの自動化を目指したのが「SFA(sales force automation)」である。顧客情報の管理・分析の要素も含まれるため、「CRM(Customer Relationship Management)」の一環として扱うこともある。
SFAの導入状況は約30%[1]、セールスフォース・ドットコムのSales Cloudがそのうち約60%を占めているという状態で、近年SFAの利用企業が増えている。しかし、一方でSFAを導入したものの、営業現場に活用されずに終わるというケースもあり、導入後に正しく活用できるかという点も吟味した上で導入をする必要がある。
- CRM(Csutomer Relationship Management)とは
大量生産・大量消費を前提としたマスマーケティングの時代から、消費者個別のニーズに合わせた One to Oneマーケティングの時代へという市場環境の変化により、特に製品単体での差別化が難しい業界(金融やリテール)で注目を集めていた経営コンセプトである。顧客あるいは見込み客が体験する企業との人的・非人的対話をより良いものとすることで、顧客の獲得や維持の向上を目指すものである。
CRMという概念は、比較的最近のコンセプトに思われがちであるが、近所の個人商店で顔見知りの顧客に提供するようなハイタッチの関係を大規模に再現することを目指すものであり、日本でも江戸時代から大福帳などで見られるように実践されていた。単に売上高のみを管理するだけではなく、個人にフォーカスした経営が重要であることは、感覚的に理解しやすい。新規顧客獲得に対して、既存顧客からの継続・追加と離脱によるロスの防止の方が、はるかに収益性が高いとされる[3]ことが、基礎となっている。
CRMの実践には、財務や税務処理といった観点の管理(伝票処理システムなど)とは別に、「顧客」を「個客」としてその行動をミクロに捉える視点と管理のテクノロジー、顧客指向の組織横断的なプロセス、そして顧客指向で行動する人が必要である。
難しいです。SFA、CRM両者ともに「顧客との接点をどうにかするシステム」というのはなんとなく伝わるものの、はっきり言ってよく分かりません。
社長もこの程度のことはご存知のはずで、その上で「違いは何?」という質問をされたのだと思います。
私は以下の通り、ざっくり答えてみました。
「顧客との未来のつながりを管理するのがSFA」
「顧客との過去のつながりを管理するのがCRM」
細かな機能を比較すると、重複する部分もあることがCRMとSFAの違いを分かり難くしています。SFA的な機能を持ったCRM製品もありますし、逆もしかりですが、顧客対応を時系列で考えた場合、割ときれいに棲み分けが出来る気がしました。
自社がどちらを重点的にとらえるか、潜在的顧客へのアプローチを重視するか、既存顧客とのつながりを重視するかによって、選ぶべきツールが変わってきます。
分かりやすく言えば、売上内訳のうち、新規顧客が多い場合はSFAという切り口で、既存顧客・リピーターが多い場合はCRMという切り口が適していると考えます。
ちなみに小規模な事業者においては、費用対効果の点でSFAは必要ないと考えています。管理対象となる顧客数や営業担当者がそれ程多くない場合は、リード管理等はエクセル台帳などでも用が足りるからです。
一方、CRMについては、規模の大小、業種問わず必要だと考えます。お客様との過去の接点を管理することは、顧客対応品質を底上げすることにつながるからです。
とはいうものの、CRMもSFAも機能が重複する部分もありますし、厳密な定義というものもなさそうだったので、ざっくりした理解として上記のような説明をし、巷には様々な製品があるので、自社の状況を鑑みて適切なツールを導入するのが重要です、というまとめをしました。
ちなみに、簡易CRMとしては、コスパの高いサイボウズOffice(アドレス帳+報告書)をお勧めしています。
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